BABEL

 

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いつまでも

笑いあっていたいと願うけれど


野良屋解散話。
中二病を爆発させたらめちゃ長くなって震えた…!
自己満足のかたまりです。
サグはサロウに小瓶を手渡した、質素なつくりの瓶の中で、青い液体が光を放っている。
「薬の調合に成功した」
そう言うサグの顔は、晴れ晴れしいものだった。サグのかたわらに立つハニスタは興奮気味にサロウへ声をかける
「綺麗でしょう、これ凄い薬なんだからね。頑張って成功させたんだよ」
「・・・まだ少し無理をしていると言ったな。安心しろ、これでサロウは全快する」
「サグ、ハニ。有難うっ!」
弾んだ声で礼を告げたサロウを見て、サグとハニスタは目を合わせ、幸せそうに微笑みあった。

 サロウの胸の中に、小さな波紋が広がっていく。
目の前の仲間が知らない2人に見えたからだ。

 長い間サグとハニスタ、サロウはずっと一緒だった、毎日笑いあって背中をあずけあって、ときどき喧嘩もした。
ただいまといえばおかえりと当たり前のように返って来る家族、のような存在だった。
ハロウィンにはハニスタと一緒に菓子を焼いて、クリスマスにはサグとああだこうだ言いながらモミの木に電飾を飾り付けて、ワインを選んだ。
大きな戦に赴くときには、肩を叩いて励まし合った。

ずっと一緒にいたのに、自分は2人のことを良く知っている“つもり”にすぎないこともサロウは知っていた。
もう2人には2人だけの言葉が世界が未来がある。
知っていたのに、目の前にしてしまうとどうだ、胸がつまり声が出ないじゃないか。
慕ってやまない2人のために出来ることはなんだ、
大きな覚悟をもう一度、サロウは胸の中で確認した。


「サロウ、野良屋は今期で解散だ」
突然の言葉に弾かれたようにサグを見る。
「どうして、」
ハニスタの表情を盗み見る、彼女は俯いて、サグが話し始めようとした時、ぎゅっと
恋人の腕にしがみつく。そんなハニスタを、幼馴染を守りたいと思わなかった日はない。
愛する人の傍にいる彼女は、そのぬくもりがあるから、泣かずにすんでいることも、サロウはよく知っている。
  
 サグとハニスタの悲しみを感じるのに、俺ができることはあまりに少ない。

 優しく触らないと壊れてしまう、そう思ったのはいつからだった?
口元に現れた本音を隠すように俯く。
この世は残酷だ、だから残酷さを愛するのを信条としている、つけられた傷のお返しに、たまに無邪気を装って残酷なことをしてみたくなる。

サグの低い声が淡々と全てを良い思い出にしていく。
サロウは何も言わず、壊してしまう程の力で小瓶を握りしめていた。




―――――――――――

橙色の光が差し込む室内で、紺青の翼を持つ男は待っていた。
待ち人はなかなかあらわれない。焦る気持ちを落ち着かせるために、窓を開ける。冷たい外気を胸いっぱいに吸い込む。
灼熱の大地と言われるマッカだが2月ともなると、
フェニカは大きく息を吐き出し、住まいに戻る傭兵たちの姿をぼんやり眺める。
オレンジ色の灯りに吸い込まれていく彼らはありのままの表情をしている、迎え入れる人間も同じ表情をしている
木材が、油が燃える匂い、温かな夕飯の匂い、慣れ親しんだ冬の匂いがした。


「フェニカ!」
暫くぼんやりと、故郷を思い出していたフェニカの耳に待ち続けていた声が届いた。
「おかえり、サロウ」
なんとなく言ってしまった。
サロウはそんなフェニカに気を留めることもなく青い液体の入った小瓶を差し出す。

「エリクサーだ」

「本当に…これをサグの父親に飲ませて、いいんですね」
「勿論。そうすればサグは、きっと今のままでいられる」
サロウの目に、迷いは無い。
「明日早くサグはオーラムに旅立つつもりだ、黄金の門を探しに行こうとしてる。
この世界から1人で離れようとしてる!」
やや早口でサロウはフェニカにこれから起こるだろう事柄を教える。
まくしたて終えると言葉を切り、自嘲を含んだ笑顔を見せた

「…バカな奴、最後まで何も教えてくれなかった。
本当のことを…、俺が助かることでサグが消えてしまうのを俺が知ったら、薬を飲むのをためらうだろうって思ってるんだ」

ガサガサと机上に置かれていたレシピの束が床に散らばる音を聞いて、窓を閉め忘れていたことに気付く。
日が落ち、より一層冷たくなった外気が肌に刺さる、それなのにフェニカは窓を閉めに行くことは出来なかった。
それよりも今すぐにこの部屋の明かりをつけたいと思った。

「優しすぎるよ、」そう呟く親友の表情が見えない、かけられるような気の利いた言葉も見つけられない。
「…きっと、サグもハニスタも俺の所為で沢山傷ついてた…!!もう二度とその優しさを傷つけたくない…っ!」
 サロウの声は震えていた。
フェニカはやっとこの部屋が暗くて、寒くてよかったと思った。
「サロウ、」
「誰の所為でもない」そういいかけ、やめた。
  

 愛する人の幸せを願うことさえ、為にならない。
互いを想いあうことが悲しみを生み、それをかばうための嘘をつく、知らないフリをする。
自分より大切にしたい人を守りたいと願い、手を尽くしているだけなのに。
―――それさえ、為にならない。


フェニカは巡る思いに瞳を閉じ、そっと開く。
月明かりが差し込んできたサロウの室内を見回す。自分の知らない思い出で溢れていた。

「…俺に、任せてください。サロウ。必ず間に合わせます」
サロウは全てを受け入れた両目で返事を返すと、念を押すように前のめりで言う
「頼んだ。しっかり伝えてくれよ『あなたの命を救ったのは、ブリアティルトの錬金術師が調合した薬』だってこと!」
「あ、それから」はっとした表情で手渡してきたのは、アラバスターの小さなぬいぐるみだった。
「サグ、これが大好きだから」

「…了解した」
フェニカがサロウの肩を力強く。
サロウが窓から飛び立とうとするフェニカの翼に小さなまじないを施した。
「ハニに教えてもらったんだ。今夜は満月だろ、効果抜群!…気を付けて。」
フェニカは小さく笑顔を見せて、何も言わず大きく頷いた。


全ての願いが託された紺青の翼は、月明かりを浴びて輝きながらブリアティルトの空を駆け抜けていった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――

「サロウ、薬飲んでくれなかったね…」
沈んだ声で話すハニスタは針仕事をしている
「サグがあんなに急いで作ったのに…」
深緑色の布を広げ、縫い残しが無いかを確認し、小さく頷く。
これで終わりか?とサグが読むふりをしていた本からようやく目線をあげたところで、ポーチの中から桃色と白色の小瓶を取り出す、それを爪に塗ろうとするものだから
サグは力を込めて彼女の手を止めた。
「ハニスタ」
どこか拗ねたような表情を作るハニスタは繋がれた手を自分の背中にまわす、右手にあった小瓶を手放しサグの背中に両手をまわしてぎゅっと力を込めた

「・・・・・サロウが薬をのんだら、さよなら?」
「ああ」
「私のこと、忘れちゃうの?」
「…そうだ、ハニスタも俺を忘れる。」
「じゃあ、ここでさよならしたら私達の愛は永遠ね」

ふふっと小さく笑って体を離したハニスタが目を閉じサグもそれに応えた。

歴史を変えてでも叶えたかった、サロウを全快させること。それが叶った未来からサグがブリアティルトに来る意味は無い。
サロウが薬を飲んだ瞬間に、サロウとハニスタの記憶の中からサグは消える。
最初から何もなかったように、ハニスタはサロウと2人で、もしくは他の誰かと3人でこれからもマッカの大地で生きていくだろう。

サグはそれで構わないと思っていた。
彼女が幸せでいてくれるならそれでいい。自分が彼女を大切に想うように愛しいと思うように、必ず他の誰かに彼女は愛される。
そいつがあらわれる間はサロウがハニスタの傍に居る。
我儘を言うなら、自分が誰よりも彼女を大切に想っていること、いつも考えている人が、いつも幸せを願う相手がハニスタであることを。
ほんの少しだけでもいい、例えば道に転がった石ころに不運にも躓いたときなんかでいい
何か得体のしれない違和感を少しの暖かさと共に感じてくれたりしたら。それだけでいいのだ。

“最初から分かっていたことだ”その言葉をサグもハニスタも自分に言い聞かせるように頭の中で繰り返していた。

「ねえサグ」
「なんだ」
「ふふっ呼んでみただけ~!サグサグ~!」
「…・・・・サグじゃない」
じゃれてきたハニスタの頭に大きな手を置く、彼女の緑色の瞳が不思議そうにサグの瞳を見つめ返した
「ウタビだ。これが俺の本当の名前」
「まだ私に嘘ついてたの!? もう!信じらんないっ 嫌い!」

ぷいっとそっぽを向いてしまったハニスタを見て、ウタビは少さく笑った。
「ハニスタには知って欲しい。ハニスタのおかげで手にいれたんだ」
「何を?」
「欲しかったものを、全部。」

両親を亡くし戦争孤児として取り残されたウタビという幼児は、ガイムという国に徴兵されてやって来たサロウという男に命を救われる。
戦争でサロウを亡くした後、養父に恩を返したい、胸を張れる人間になりたいとウタビは国のために力を尽くす。
しかしそれは、望まぬ戦に身を投じ国に殺された、サロウの為になどならなかった。
「父さんに会いたくて仕方がなかったのに、会うのが恥ずかしかった。」

むかしばなしを読み聞かせるようなウタビの優しい声が心地よくて、ハニスタはそおっと瞳を閉じる。
ふとした時、そう今も、ウタビからサロウのにおいがするときがあった。初めて会った時から、彼を知っているような、不思議な感覚があったのを覚えている。

「俺に出会う前のサロウが俺を知るはずがないのに、本名を名乗ったら気付かれるかもしれないと思ったんだ」
「…そういう寂しがり屋なところ、サロウにそっくりよ。」
目じりを下げて照れくささそうにウタビが笑う。その笑顔もサロウに良く似ていたから、あははっとハニスタもつられて笑ってしまう
「…おまえ、笑うことないだろう。」
「私の所為じゃないわ!だって、さぐ…ウタビったらサロウにそっくりなんだもん!あーやだやだ!」
ウタビは困ったような顔をして、ハニスタの機嫌をうかがう。といっても仕方がないだろうと繰り返すばかりだが
彼の表情をハニスタは嬉しそうに眺めている。
ウタビが自分を好きでいてくれることを知っているからこその悪戯は、ハニスタの悪い癖だ。
ウタビはそれを知って、彼女が自分の全てを手に入れたことを知って欲しいと願った
なくすことを恐れて何も手にすることが出来なかった彼女に、知って欲しい。何度でも裏切り、試せばいい。

「…もっと私のこと話して」
小さな争いを今夜はいくつ出来るだろうか。
口に出すことはできないけれど出来るならこのままずっと、ずっと一緒にいたい。


―――――――――――――――――――――――――――――――

「もうここでいい」
「なんでだよ、そんなこと言わずにさ~こんなとこに来るのも久しぶりだし、皆で石さがししようぜ。
ハニスタだってそうしたくない?」
「え?わ、私は…っていうか、なんであんたまでついてきてんのよ!」
翌朝、黄金の聖域で困った表情をしているウタビとハニスタ。サロウ1人が明るい表情をしている。
「サロウ、薬を飲まなくて平気なのか」
「そうそう、一緒に家に帰ってお薬飲んで大人しく寝てよう。まだ万全の体調じゃないんでしょう?」
ハニスタはウタビと目を合わせない。サロウの腕を引き、来た道を戻ろうとする。
その様子をウタビは何も言わず眺めていた。

「じゃあね、サグ。こんなとこで、あまり遅くなるまで石探ししてないでよね!…早く、帰って来てね。」
「ああ」
2人の目がようやく合う。時が止まったように暫く見つめ合って、ウタビが背中を向ける。
サロウの腕を掴むハニスタの手に力が入る。別れを告げようと、震える唇をなんとか動かした。

「さようなら」

黄金の聖域に響いたのはサロウの声だった。
ウタビが振り返る、それを見たサロウはハニスタを乱暴にウタビへ向かって投げ飛ばした。
「っきゃあ!!」
「 ハニスタ!」
ウタビが駆け寄りハニスタを抱き上げ「大丈夫か!?」ハニスタの返事を待つ、彼女が小さく頷くと
サロウを鋭く睨みつけた。
「サロウ、貴様!」
どういうつもりだ!!、怒鳴ろうとしたのに、ウタビにはそれが出来なかった。

サロウが笑顔だったからだ。
今まで見たことが無いほどの優しい笑顔でこちらを見ている。

「!!」

父さん!とサロウを呼んで、手を伸ばしてしまいそうになった。
ウタビの頭めいっぱいに赤い世界が広がっていく、
両手足があるのに、息を殺しながら、耳をふさいでうずくまっていることしかできない世界だ。
血の匂いと、何かが、全てが焼ける匂いまで思い出して、足が震えた。
 でもそうだ、今なら。大人になった今なら、手を伸ばせば間に合うかもしれない、発作に苦しんでいるサロウに薬を渡すことが出来たら全てが変わったはずなんだ!焦燥感にかられる、頭痛がする、胸が焼け爛れるようで喉が渇く。
 おかしい。俺は、俺は父さんを助けるための薬を調合できたのに。


「サグ…いや、ウタビ。」
ウタビの横で、ハニスタが弾かれるように顔をあげた。

「俺はどうやって死んだの?」


「さ、サロウ?」
ハニスタの声は震えていた。
サロウには、先日の薬が生命の復活を叶える薬、エリクサーであることすら何一つ話していない。
それなのにどうしてサロウがサグの本当の名前を知っているのか、理解できなかった。
全てウタビと2人で話していたことを、彼が知っているはずがない。
「・・・・」
ウタビは答えない、答えたくないのかもしれないし、ただ混乱しているのかもしれない。
じっと、サロウを見ている。サロウもウタビから目をそらさずにいた。
冷たい空気が洞窟の中に充満し時間だけが過ぎていく

先に目を逸らしたのはウタビだった
引き出しをおそるおそる開けるように、ゆっくりと話す。
「サロウは、死ぬわけが、ない。バカなことを、言うな!」
ウタビの答えに、サロウは黙っていた。
しばらくして、ふっと一瞬、天を仰ぐと
「ウタビ、お前は本当に・・・…良い奴だ。やっぱ、俺に似てない。」そう幸せそうに笑った。


目の前の仲間の名前を叫ぼうとしたとき、ウタビの腕の中でハニスタが小さく呻いた、頭を抱えて苦しそうに眉をひそめている。
「ハニスt !」
声をかけようとしたウタビも頭痛に襲われ頭を押さえる、 頭が、熱い…!!全身に力が入らなくなったウタビにハニスタがしがみついた。
サロウが薬を飲んだのかと彼を見る、しかし同じく苦痛に顔をゆがめる彼の手元には何も無い
「…サロウ!!ッどうしてだ…!!」
ウタビがサロウに叫ぶ、サロウからの返事はない、その場に膝を折り胸に飾られたペンダントを握りしめていた。

ウタビは、この世界から消える覚悟をした。きつく目を閉じ、恋人の手を握る。
自分は幸せだった。そう、思いを巡らせた。

しかし焼けるような熱さから解放されても、ウタビの体はきえない
頭痛に苦しみながらハニスタがウタビの頬に手を伸ばす、朦朧とした意識の中で、ウタビは当たり前のようにハニスタの手を握る。
混乱しているウタビにサロウの声が届いた。
「ウタビ、お前は未来を変えたんだよ! お前は父さんを、大切な人を守れたんだ!!」
「……サロ、ウ?」
「 中盤戦で耳が聞こえなくなったなんて、嘘! お前がボロ出すの待ってたんだよ!ッ 風の声が聞ける俺に嘘つこうなんて100万年早ぇんだよ、勝手に幸せになりやがれ!ばーーーーーか!!」
「!」


刹那、ウタビとハニスタの体が黄金の光に包まれた。
「!! これって!」
ハニスタが叫ぶ。3人をブリアティルトへ呼んだ光が2人を包んだのだ。

ウタビの頭の中では、ばらばらになったパズルがもう一度組み立てられていくように、沢山の映像が思いが洪水のように押し寄せてきていた。
あまりの勢いに流されそうになり、ウタビは焦った、まだ。目の前の男に伝えたいことが山ほどある。
「っ 父さん…!!俺が守りたかったのは、あなただ!!なんで…いったい何をした・・・!どうして!!」
「ウタビ、お前が守るべきものは俺じゃない。ハニスタだろ!」
一呼吸おいて、もう一度サロウが叫ぶ

「ウタビ、会いに来てくれて有難う!!」
「・・・と、・・・さん!」

嫌だ、大切なことを忘れてしまう、まだ何も伝えていない。
涙を貯めた瞳でハニスタも顔を上げる、光がまぶしすぎてサロウの姿は見えない
どこにいるのかもわからない幼馴染に届いてほしいと思い切り手を伸ばした。

「サグ、ハニ。もう自分の為に生きたらいいんだ、幸せになりな。」 


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


瞬く間にウタビの記憶が繋がれていく。

第5期 イズレーンで、サロウと出会った。あいつは離れ離れになっていた奥さんを探していて、毎日焦ったような顔して国中をうろついていた。
見つけた!と言って連れてきたのは、幼馴染のハニスタという女だった。
宝石が好きで、高飛車で、我儘で、でもとても気が合った。3人で一緒に5色の石を必死になって探した。

第6期 マッカ連邦王国に移籍し、常在戦場というギルドに入った。
新しい友人が出来て、初めての中盤戦も経験した。サロウとハニスタは戦場まで押しかけてきて、応援してくれた。

第7期 サロウを女にした記憶がある。ハニスタが大喜びしていた記憶もある。何故そんなことになったのか…覚えていない。ああ、そうだ。確か…

第8期 サロウがリーダーになりたいと言い出して、彼に襷を渡した。マッカは劣勢だったが、だからこそ前を向いて頑張ろう!そう言いあって、あいつは沢山の仲間たちと毎日笑っていた。

第9期 何かを目指していた気がする、毎日部屋に閉じこもっていたような記憶がある。ハニスタはそんな俺を気にかけ、支えてくれた。恋仲になったのはこの頃だった。

第10期 マッカ連邦王国がブリアティルトを制した。サロウが中盤戦に参戦し、けがをした。
俺はハニスタと一緒に…そうだ。傷薬を作った。

そして、戦が一段落した今日。目的を果たした俺はハニスタと一緒に元ある場所へ帰ろうとしている。



   そうだ俺は。父さんを助けてくれた錬金術師に憧れて、その人に会いたくてブリアティルトにやって来たんだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――



橙色に染まる部屋のなかで、紺青の翼を持つ男は人を待っていた。
待ち人は少ししてやって来た。


「おかえりなさい、サロウ」
鳥人が声をかけると、サロウは笑顔で答えた。
「ただいまフェニカ~、カップルを送り出してきた」
サロウはウーンと大きく伸びをしてからフェニカの隣に立ち、窓から差し込む夕日に目を細める
「おおー綺麗な夕日…こいつももう見納めか」
前日とはまるで違う、その横顔を見ながら、フェニカは独り言のように言った。
「…サロウ、全て上手くいったんだな」
「は?」
「全て上手くいったんだ」
2回目は、しっかりとサロウの目を見てフェニカは伝えた。
ウタビの父親にエリクサーを飲ますことに成功した、ウタビを戦争孤児にせずに済んだ。
大人になった彼が、ブリアティルトを訪れるように操作できた。

「なにが?」
首をかしげ、わけがわからないとサロウが笑うから、フェニカもつられて笑ってしまった。
「なんでもないです、それより仕度はできてるのか?明日には故郷に帰りますよ、サリュウを助ける方法、見つけにいくんだろ」
「あ、やべ。昨日早く寝たからなーんもしてない」
サロウは慌てて荷造りを始めた。
「…そういえば、サロウが寄りたいと言っていたガイムという国の領地だが」
「ああ、あの国周辺は物凄く治安が悪いから近づくなってウタビが言ってたから行かない」
「…そうですか」
ふふっとフェニカが笑う、本やらレシピやら酒瓶まで鞄に突っ込んでいたサロウは手を止め、先ほどから挙動不審な友人を睨んだ
「お前、さっきから変だぞ。なんかあった?」
「なにもない、それより手を動かしてください」
「・・・気色悪いやつ」
サロウはフェニカの態度に納得していない様子だったが、ちらりと時計をみるとまた準備を始めた。
なにか手伝おうか?そう聞いたフェニカに、あれこれと指をさして、サロウの部屋は順調に片づけられていった。

ふ、と壁に飾られている写真をしまおうとしたサロウの手が止まる。大切そうに壁から取り外し、愛しそうに1枚の写真を見つめた。
「見て、フェニカこれ」
「・・・ウタビのこんないい笑顔見たのさ、なんでだろう、初めての気がする」
「…」
「なんでだろう、なんでだ…!」
凄く嬉しい。 そうつぶやいたサロウの目から、するりと涙が流れた。

差し出された写真には、マッカの夕日と、満面の笑顔の野良屋が、ウタビとサロウとハニスタが映っていた。
未来が変わったとしても、3人は出会い、同じ歴史を歩んだのだ。

フェニカが足元に落ちていたアラバスター商品を取り扱う店の広告をサロウに手渡す
それで鼻をかもうとして、辞めた。
鼻をすすりながら、それを綺麗におりたたんで右ポケットにしまった。

 きっとまたあいつはアラバスターに会いに来る。その時まで、いつかまたマッカの夕日を背景に写真を撮る日まで
これは取っておこう。

窓からは、温かな春の気配。
青い目がもう一度写真を見つめる、胸に残る不思議な違和感と罪悪感も
愛しい全てをそっと抱きしめた。


――――――――――
あとがき。

\耳が聞こえなかったとか、嘘!/
なんか旬な終わりを迎えた野良屋でした。

日本語間違っている気配むんむん!行き当たりばったりで進めたからあかんかったですが
このキャラはこうするだろうな~という終わりにできた!
ただいちゃいちゃが長すぎたです、次につなげるために2人仲良しアッピールしすぎた。苦しい…!

読んで下さった皆様、どうも有難うございましたー!
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Author:nora

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